埼玉大学人文社会科学研究科(学際系)教授。現代中国の文学芸術の研究者。
1959年富山県生まれ。魚津高校卒業。大学在学時の1982〜84年に中国公費留学生として北京語言大学、上海復旦大学に留学。中国現代アートの先駆け「星星画会」と交流した。帰国後1985年早稲田大学第二文学部東洋文化専修卒業。信州大学大学院人文科学研究科修士課程入学後、天津南開大学に留学。中国近代劇作家曹禺を研究した。1992年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学、埼玉大学講師のちに教授。中国現代アートの研究を始める。当時中国の美術史では承認されていなかった「星星画会」「北京東村」を中心に『アヴァン・チャイナ』1998を著した。艾未未とも1995年から毎年交流し、『ブラックカバー』などを買い取り、日本に広めた。文革後の美術が問題とした毛沢東時代の文化について『中国のプロパガンダ芸術』(共著)2000を著す。同著では1930年代の商業宣伝美人画が毛沢東時代のプロパガンダポスターにスライドしていくことを指摘した。SARS流行の2003年北京大学中文系で在外研究。2000年以降の現代アートを中心に『中国現代アート』2007を書いた。ここではSARSを機に体制統制の厳しさを自覚したアーティストが自由な表現を求めていった事を示した。現在の関心は中国現代アートにおける政治性である。この課題に即して『艾未未読本』2012を編集した。本格的な艾未未研究のための叩き台になればと思っている。さらに『アイ・ウェイウェイ スタイル』2014をまとめて、中国の公民運動、社会問題、人権と現代アートの関係について、継続して研究を進めている。